18回中国共産党大会の赤旗報道について

 2012/11/11  

 中国共産党大会がはじまって、まず大きく報道されたのが、海洋権益の堅持と海洋強国の建設を宣言する胡錦濤総書記の発言です。

 中国は今、尖閣諸島だけではなくフィリピンやベトナムの領土まで脅かしています。そのために中国初の空母まで配備して軍事力を強化し、尖閣諸島へは何度も領海侵犯を繰り返しております。

 そのさなかに「海洋権益拡大めざす」というのですから穏やか物言いではありません。当然日本政府も、おそらくはフィリピンやベトナム政府も警戒を強めることになるでしょう。だからこそ日本のマスコミも全社こぞって、このニュースを流しているのです。

 しかしながら、中国寄りの赤旗だけは書き方が違いますね。私としては触れないわけにはいかないので、この件については続きを別ページに書きます。

 と、雑記帳で書いていますので、続けます。

 第18回中国共産党大会の新聞各社の見出しはそろって「海洋権益拡大めざす」ですが、赤旗は、

「格差・社会保障・環境を強調」です。内容も「格差」の問題では、「貧困を大幅に減らすと強調した」と書いています。 しかし記事のどこにも中国には絶望的なほどの「格差」あることには触れていません。(11月9日の赤旗日刊紙)

「環境」の問題では、

住民運動も相次いでいる環境問題では、二酸化炭素や汚染物質の排出総量を大幅に減らし、「住居環境を著しく改善させる」と掲げました。

この書き方は、赤旗が中央委員会の報告を書いているみたいです。

そして、ここでも中国の公害のひどさには触れてはいません。工場廃液が川を黄色に染めていることや、スモッグが日本にまで飛んできていることなど、赤旗は全く触れずに、中国共産党の言い分だけを書いています。

さらに、

政治制度改革では、「人民民主を絶えず拡大する」と主張する一方、「西側の政治制度モデルを引き写ししない」と指摘。法治制度の整備や人権の尊重・保障も盛り込みました。

中国共産党大会の開幕に合わせて、チベット族6人が中国政府のチベット統治に抗議して焼身自殺を図ったことを読売など各紙が報道しています。赤旗はそんなことなどお構いなしに、ただただ中国共産党の言っていることを書いているのです。これではまるで中国共産党の機関紙です。

そして、

外交については、「平和外交政策」の実行を改めて確認。同時に、「国の海洋権益を断固守り、海洋強国を建設する」と強調。「断固として国家主権、安全、発展の利益を守り、外部のいかなる圧力にも屈服しない」と述べました。

今までなかった空母を外国から買い取り、東シナ海に配備する中国のどこが「平和外交政策」なのでしょうか、念のために書いておきますが戦後、日本やアメリカが中国の領土を侵そうと画策したことはありません。中国の軍事力の強化は東シナ海においての「海洋強国を建設する」手段であることは明白です。

この書きようでは、「外部のいかなる圧力にも屈服しない」中国を支持するかのごとくです。

この記事は7面の左端に掲載されています。新聞の位置としては目立たないところです。7面の最も目立つ右上は、「大統領選挙後の米国の課題」という記事ですが二日に分けて書くので9日は(上)です。記事は大統領選を詳しく分析して、「国内 分断 どう克服」と大見出しをつけています。

アメリカのこととなるとここまで分析する赤旗が、同じ面の左の記事では、中国共産党の一党独裁からおきる凄まじい人権弾圧や、格差の拡大、腐敗構造などには分析どころか“だんまり”です。そして内容は中国共産党の発表をそのまま載せるというもので、戦前の日本の「大本営発表」記事と何ら変わりありません。

また同じ紙面に、アメリカ大統領選と中国共産党大会の記事を掲載していますが、米中ともに新指導者を選んでいます。中国は密室で選ばれ、アメリカは国民の投票です。

中国は政権批判を行えば投獄され弾圧を受けますが、アメリカは凄まじい批判合戦を行い、選挙が終われば両陣営とも「団結」を呼びかけています。

この、あまりにも対象的な二大国の政治イベントを世界中が目の当たりに見ている中で、赤旗は中国共産党大会を論評抜きで報道しています。

この赤旗の報道姿勢はおよそ「真実を追究するジャーナリズム」には、ほど遠いと言えます。党員諸氏は「日本の巨大メディアを考える」前に赤旗が「真実を伝え、希望を運ぶ、かけがいのない役割」を果たしているのか考えてはどうでしょうか。

中国の人権活動家が赤旗を読んだら、「真実を覆い隠し、絶望を運ぶ、とんでもない役割」を果たし、日本共産党は中国共産党の人権弾圧を黙認していると見るでしょう。

18回中国共産党大会の赤旗報道

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-11-09/2012110907_01_1.html?_tptb=089

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