志位委員長の党創立87周年記念講演を読んでの意見 

                         2009年9月21日

                                        高木  純

 

志位委員長の党創立87周年記念講演を読んで、率直に申し上げるとあきれかえっていると言わざるを得ません。確信を持つどころか、志位委員長ら幹部会委員は「物事が正確に見えなくなっているのではないか」とすら思っています。そして、「いい加減にしろ!末端の党員をバカにするな」と、言いたいとも思っております。

本題に入ります前に、私は20才から赤旗日曜版の配達を続けています。現在54才ですから配達を続けて35年目に入りました。その私が、9月20日号の日曜版を見て、配るのが恥ずかしくなりました。こんな風に思ったことはもちろん初めてです。

 

【一面記事より】

建設的野党 本格始動
  温室効果ガス削減、核密約調査 実現へ前進

鳩山・民社国連立政権がスタートしました。日本共産党と民主党との党首会談では、地球温暖化防止や核密約問題の取り組みで一致。「建設的野党」の日本共産党の仕事が本格始動です。  以上記事より

 

総選挙直前に突然言い出した「建設的野党」のわが党が、温室効果ガス削減や、核密約調査を前進させたと本当に思っているのでしょうか? そんなことがあろうはずがありません。残念ながら共産党が会談しようとしまいと、民主党はガス削減も核密約調査も前に進めるでしょう。なのに、あたかも日本共産党の成果であるかのごとく、書き立てている日曜版の一面の記事に私は思わず赤面してしまいました。 

さて、今回の総選挙で自公政権は大敗北を喫し、民主党政権が誕生しました。記念講演では、

2007年7月の参議院選挙で自民・公明が大敗し、参議院で多数を失ったさいに、私たちは、「国民が、自公政治に代わる新しい政治の中身を探求する新しい時代、新しい政治のプロセスがはじまった」とのべました。それに続く今回の総選挙の結果は、国民が自公政治に代わる新しい政治を探求する時代の本格的到来をつげるものにほかなりません。

と志位委員長は述べております。

なるほど、おっしゃるとおり、政権発足後の民主党政権は次々と国民の暮らしを守るうえで、これまでわが党が唱え続けたことを実現させるべく矢継ぎ早に官僚に指示を出しております。生活保護の母子加算…、障害者自立支援法…、高校授業料…、後期高齢者医療制度…、それこそ、各大臣が競い合うようにです。「生活が第一」と掲げた民主党のポスターは選挙前だけの誤魔化しではなかったようです。

 

総選挙全体を見て志位委員長は、

 「二つの政治悪」を特徴とする自民党政治そのものの崩壊過程が始まった

 第一に、今回の結果は、たんに自公政権が崩壊しただけではない。「財界中心」、「日米軍事同盟中心」という「二つの政治悪」を特徴とする自民党政治そのものが、もはや通用しなくなり、その崩壊過程が始まった。ここに今回の総選挙の歴史的意義があることを強調したいと思うのであります。(拍手)

国民が新しい政治を探求する時代が本格的に到来した

第二は、国民がくだしたのは「自公政権ノー」の審判であり、「民主党イエス」の審判とはいえないということです。「さよなら」という審判はくだしましたが、「こんにちは」という審判はくだしていないのであります。(笑い、拍手)

 

 二つの政治悪の崩壊がはじまり、新しい政治を探求する時代が到来したと位置づけています。

 ここで、忘れてはならないのは、政権を取ったのが民主党であっても、「二つの政治悪の崩壊がはじまり、新しい政治を探求する時代が到来した」のです。「民主党イエス」の審判とはいえないとしても、です。つまり、民主党が政権を取った今回の選挙結果について、わが党は肯定的に見ていると言うことで、「歴史的意義がある」と志位委員長は強調しています。

 わが党が、民主党が政権獲得したことに「歴史的意義がある」などと言っているなどと、誤解しているのではありません。しかし、自公政権の崩壊は必然的に民主党政権を誕生させることになりますし、民主党の勝利は自公政権退場の必須の条件です。 

 とまあ、ここまではほとんど記念講演の内容の確認です。

 私は、この内容にあきれかえっています。いったいこの変わり様は何なのか! 政治を見る目の、急激で節操のない程の変わりようと、あくまで自らの誤りを認めない党幹部団の姿勢に、それこそ逆の意味で「目から鱗が落ちる」ほど落胆しました。 

 わが党の無節操な変わりようを、8中総や7中総から見てみると、

 8中総では、

 自公も民主も、21世紀の日本の「進むべき道」について、国民の前に何らの「旗印」も示すことができない。それには理由があります。それは日本の政治の行き詰まりの大本にある「二つの政治悪」――異常な財界・大企業中心の政治、異常な「軍事同盟絶対」の政治を、共有しているからであります。一方は、「二つの政治悪」の担い手の勢力であり、他方もまた、同じ流れのなかにあります。

 

自民と民主の両党が、異常な財界・大企業中心の政治、「軍事同盟絶対」の政治を共有していることは、すでにのべましたが、「二大政党」の問題点はその両党に対立軸がない、政治の中身に違いがないということだけにとどまりません。両党の共通部分こそ問題であります。すなわち同じ古い政治の枠組みのなかで、競い合って悪政をすすめているところに、日本の政治にとっての重大な危険があることを直視する必要があります。

これらの自民、民主が競い合っての暮らし、平和、民主主義を破壊する動きにたいして、国民の利益にたって、正面からたちはだかることができる政党は、日本共産党をおいてほかに存在しません。 

結語では、

どちらが政権の担い手になるかというちっぽけな選択ではありません

7中総でも、

この両党が、「二つの政治悪」のなかに閉じ込められ、そこから一歩もでることができない

要約すれば、自民も民主も「二つの政治悪」の中に閉じこめられており、競い合って悪政をすすめている。 と中央委員会では述べています。さらに8中総の言葉を借りれば、民主党が政権に就いたところで、どうせ悪政を進め、暮らし、平和、民主主義を破壊するのだから、重大な危険があることを直視する必要がある。ということになります。

 

比較してみましょう

8中総まで言っていたこと、

 

「二つの政治悪」の担い手の勢力であり、他方もまた、同じ流れのなかにあります。

競い合って悪政をすすめている

自民、民主が競い合っての暮らし、平和、民主主義を破壊する

どちらが政権の担い手になるかというちっぽけな選択ではありません

この両党が、「二つの政治悪」のなかに閉じ込められ、そこから一歩もでることができない

 

記念講演では、

たんに自公政権が崩壊しただけではない。「財界中心」、「日米軍事同盟中心」という「二つの政治悪」を特徴とする自民党政治そのものが、もはや通用しなくなり、その崩壊過程が始まった。ここに今回の総選挙の歴史的意義があることを強調したいと思うのであります。

この結果を、日本の政治にとって前向きの大きな一歩であり、新しい歴史のページを開くものとして、心から歓迎するものであります。

 

いったいどういうことでしょうか? 8中総があった6月には民主党も「二つの政治悪」に閉じこめられていたはずなのに、崩壊過程がはじまったのでしょうか? 民主党はいつ閉じこめられた檻の中から出てこられたのでしょうか? 民主党がまだ閉じこめられているのなら、二つの政治悪の継続です。

ことによったら。民主党は閉じこめられた檻の中から都議選挙後に出て来たのでしょうか? そもそも閉じこめられていたのは民主党ではなく、民主党に対して硬直的な見方しかできない狭い視野の檻の中にいた、わが党幹部団ではないでしょうか? 

その目を見開かせたのは、政治の変革を願い、自民党とあまり変わらないという不安を持ちつつも、自民には任せられないと、一縷の希望を持って都議選で民主党に投票した東京都民ではないでしょうか。都議選でわが党は13議席から8議席という、議席の減少率で言えば自民党を凌ぐ大敗北を喫しました。きついお灸で、口から出たのが「建設的野党」「是々非々」(当たり前! もっと言えば、今までは違ったのか?) 

8中総では、暮らし、平和、民主主義を破壊する 民主党が政権に就いたのに、

記念講演では、新しい歴史のページを開くものとして、心から歓迎するものであります。

いったい、民主党は「破壊者」から「歴史の開拓者」にいつ変わったのでしょうか?

「破壊者」が政権をとったら、どういう理由付けをしようと「心から歓迎」できるものではありませんが、わが党幹部団は違うのでしょうか。 

 総選挙の結果についての評価は、「長い自民党政治がやっと終わった」という観点も必要ですが、変わって政権についた民主党をどう評価するかで大きく変わります。それをわが党は本年6月から8月のわずか三ヶ月の間に、「破壊者」から「歴史の開拓者」に変えてしまいました。(民主党を開拓者と直接言ってないとしても、新しい歴史のページは今まさに民主党がめくっている) 

 ただし、私はわが党が民主党を「破壊者」から「開拓者」まではいかなくとも、自民政治によってズタズタにされた田畑を、改めて開墾する「者」に引き上げることについて異論があるわけではありません。

もっとも問題なのは、わずか三ヶ月でのわが党の豹変は、8中総以前の、政権交代に対するわが党の立場や、そこにおける民主党の評価が誤りであったことをハッキリしめしたものであるということなのに、誤りを誤りと認めないことです。

間違っていても、選挙で大幅後退しても、黒だといっていたことが白であっても決して誤りを認めない中央委員会に私は長年辟易しておりましたが、この期に及んでも誤りを認めず、まだ尚開き直っている姿に呆然としています。間違っていても、選挙で未曾有な敗北を喫しても、何が何でも正しいと言って、決して誤りを認めない常任幹部会は、もはや、社会の発展に目を背け、己の立場の保身にのみ目を向け、そのため、ひたすら末端党員に方針への「確信」を押し付けていると思っています。 

仮に、今度の政権交代に歴史的意義があるともっと早く考えていたなら、衆議院選挙のみならず、都議選やその他の地方選挙などなど、大きく戦略が変わっていたのではないでしょうか。後退を免れて、前進する可能性が大きかったはずです。何よりも、「自民党政治はもう御免!」と考え、一縷の望みを託して民主党に政権を委ねようとした国民に、わが党は「自民も民主も同じ!」「暮らし・平和・民主主義を破壊する民主党」と声を張り上げて民主党を罵倒していたのです。これはことによったら、自公政権の延命を計ろうとしているのではないかと国民の目には映ったはずで、記念講演で言うところの「歴史的意義」のある「政権後退」の妨害に全力を挙げていたのです。地方で開いた演説会で、全国いたるところで行った「語る会」で、全国にある支部が「自民も民主も同じ穴のムジナ!」と語っていたのです。中央委員会が語らせていたのです。

考えて見てください。今日、街頭でマイクを握り「自民も民主も同じ!」「暮らし・平和・民主主義を破壊する民主党」と声を張り上げることができますか? 今、語れないことを選挙前まで言っていたのです。

結果、都議選挙では13から8議席と大敗北を喫したのです。

党幹部委員会は都議選後大きく方針を変えていますが、何ら誤りを認めず、その後なし崩し的に民主党への評価を変え(変えざるを得ない)今や、赤旗日曜版(9/27日号)は鳩山首相や岡田外相を写真入りで評価し、何やら民主党政権にすり寄るようなものになっているではないですか。誤りを認めないで行う軌道修正はあまりにも滑稽です。日曜版を配るのに私自身赤面してしまいました。 

党中央委員会の判断の誤りは、党員やわが党を支持する国民に多大な苦難を押し付けています。ことにわが党は民主集中制をとっているのですから、中央委員会の誤りは、単なる誤りではすまないものと考えなければなりません。ましてや、間違っていることがどれだけ明白になっても、それを誤魔化し、なし崩し的に軌道修正を図り、またもや民主集中制で党員に「確信」を押し付ける有り様は、社会発展を願う人民の先頭に立つものとして許されない行為です。

私は、記念講演の内容には全く納得しないことを表明し、この流にそって中央委員会決定がされるのであれば、もはや現在の幹部会委員は党の先頭に立つ資格はないと考えます。

そして、党のあらゆる会議で幹部会委員を批判し、それに追随するものも批判します。

間違っていれば誤りを認め、選挙で後退すれば敗北を認める。そんな当たり前のことができていません。ことによれば、過度の集中制により、党内にもはや幹部会委員を批判するものがいないからでしょうか? 私は公然と批判します。そして批判することを党内で宣言します。

 

 

  徳島県吉野川市    阿北地区委員会   高木 純

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